猫相談室
 悩む少女の頬めがけ、爪を立てない優しい猫パンチが飛んできた。
「らしくないぞ、メイちゃん!敵に先制攻撃を許してしまったのはしょうがない。しかし、ここからがラブテクニックの見せ所!返事を待つ彼のみぞおちを打って意識を遠のかせつつ唇奪って耳元でビコーズアイラビュー!そのまま想像妊娠しちゃって結納までこぎつけるのダ!」
(猫くん、走りすぎだ!)
キツネのつっこみが猫に届く。
(キツネさん、天のときを逃さず攻むるべき時、これ攻める!恋のチャンスは今来たれり!)
「メイちゃん!男の子は女の子からの打撃とコンボになった愛の言葉に著しく弱い一面を持っているのです!」
(やめたまえ猫くん!その子は本気にする!)
心配するキツネをよそに、少女の目に妖しい光が輝きだした。
< 38 / 39 >

この作品をシェア

pagetop