俺とソイツとあいつの末来
開けるのと同時に一言いった。
「ハッピーバースデー、健祐くん。」
そして、箱を開けた瞬間にヤツの大きな笑い声と共に爆発音がして俺の視界は濁った色の煙…ではなく、透明で綺麗な水で包まれた。
当然俺も水の中にいるわけで、息ができず、苦しくて。
……辺りは何もなかった。
ピエロの姿も消えていて。
だが、息ができない俺はもがき苦しむ。
そして意識を手放そうとしたそのとき。
「健祐君♪もう終わり?」
と、ヤツの笑交じりの低い声が聞こえて。
何故だか俺は声のする方へ向かっていた。
苦しいはずなのに。
息もできず、動けないはずなのに。
酸素を求めているはずの俺の体は勝手に声のする方向へ向かって闇の中へと進んでいた。
「健祐君。おめでとう。」
そう言ってニヤつくものがもう一人そこにいたことも知らずに……。