―Ⅰ―

有りえない!!



『んぅ~』


重たい瞼をパチパチさせて、上半身を思いっ切り伸ばす。


『もう朝かぁ……』


カーテンの隙間から差し込む光に目を眩ませる。


ベッドから体を下りて、すぐ側にあるバッグに手を伸ばした。

大きなバッグ。

部屋はガランとしている。


今日、新しい家に引っ越すんだ―――…



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