「何かあったらすぐ電話でもメールでもしていいから。そんな寂しそうな顔すんな」


『……寂しくなんかないもん』


「…この意地っ張りめ」


兄は口の端を上げながら、あたしの額を指で突いて、部屋の中へと入って行った。


あたしは取りあえず、"咲樹"という人にメールをすることにした。


何だか少し怖くて、震える手で文章を打った。



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