チョコレート。〜君想うキモチ〜



「そっか。和樹君とは話した…?」



「ううん…。挨拶してくれたけどっ…無視しちゃった」



優しく私が泣き止むまで絵梨が頭を撫でてくれた。



「大丈夫…?」



「うん…。ありがと…」



ざわざわっと教室が煩くなり、和樹が教室に入ってきた。



ブレザーで涙を拭いて立ち上がる。



「未紅、おはよ」



「…。」



和樹に泣いていたことがばれないように後ろを向いた。



本当は挨拶したいし、ちゃんとさっきのこと聞きたいのに言葉が出てこない…



< 57 / 76 >

この作品をシェア

pagetop