線路の向こうがわ

「おーい千代?」
……。
「千代ってば!!」
「えっ?どうしたの??」
「もぉ!!学校ついたよ!」
「…本当だ…。」
「大丈夫?何か考え事でもあるの?」
「ううん。何でもないよ。」
「嘘ばっかり。」
…えっ………?
「千代は嘘をつくとすっごく悲しそうな目をするんだ。そのぐらいすぐわかっちゃうよ。」
…ずるいよ。亮はそうやってすぐ私の嘘を見抜いちゃうんだから。
「どうしたの?何か忘れ物?」
「…そうなんだよ!!友達から借りた本を持ってくるのわすれちゃって」
「なんだそんなことか」
「うん。心配かけてごめんね」
「いいよ全然でも困ったことがあったら言ってね?いつでも相談にのるからね」
「ありがとう」
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