ゆー君のいちにち。
「あのさ……
確かに飯田は美人だし。
あれだね。走ってるときの綺麗さったら感動モンだよね。
おまけに頭も良くってさ。
まぁ、俺はね。
たいして頭も良くないし
部活でも普通の記録。
顔も良く言って中の上かな?
柏木雄太の引き立て役と言われて、
もう何年になるかな、って感じなわけ。
そんな平凡な俺からすると、あれよ。
人の恋路に首突っ込んでも、
自分は恋すらできねーの。
悩みも平凡だし、
きっと喜びも平凡なんだ。
でも、それはそれで幸せなんだ。
飯田はさ、才色兼備って言われる分、
悩みも俺なんかよりでかくて、
だけど、その分、喜びも俺よりずっとでかいんだと思う。
きっと神様は、その人が越えられる高さのハードルしか
用意しねぇんだよ。
もうね、俺のハードルなんか、低い、低い。
俺はそれでもあっぷあっぷだけどね。
ハードル越えたらさ、
すげぇ幸せになれんじゃないかな?
わかんねぇけど。」