ゆー君のいちにち。
君とキスの魔法で。
テレビの中のアナウンサーが、この冬一番の、寒波到来を告げる。
2月14日。
「バレンタイン、ね。」
食パンをかじりながら、テレビに向かって呟く。
いつもと何も変わらない、朝。
ケータイを開いて、メールを送信する。
TO : みーちゃん
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おはよう。
今日は、学校に行きま
す。
進路指導室にいるよ。
ー END ー
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3学期になり、オレ達3年は、ついに学校も自由登校になった。
受験シーズン真っ只中のオレは、彼女に、その日のはじめと終わりに、こんな他愛もないメールを送ることが、日課となっている。
『ゆー君の受験が終わるまで会うの辞めとこ?』
そう言ったのは、彼女の方だった。