ゆー君のいちにち。
オンリーワンガール。
「恋ってさー、結局なんなのかね?」
「お前さ…、受験生の人の家に来てマンガ読みながら言う台詞じゃないよね、それ」
学校は自由登校になった。
進路は決まっている。
俺に足りないのは、たぶんこういう色恋沙汰だと思う。
うん。そりゃあもう、真剣に。
あ、申し遅れました。
俺は、笠原 壱。
二人兄弟の長男だから、壱(イチ)。
単純なのは、家系かな。まったく。
で、俺は今、何をしているかというと、学校もない、彼女もいない、ヒマな俺は親友の雄太の家に来てるわけ。
え?
雄太は受験控えてるって?
ノンノン。
それは言わない約束だよ。
勉強合間の癒しのイチ君。
つってね。