オフィスの甘い罠
そう言って、専務は奥の
方に立ってる数人の外人を
チラッと見た。



なんか神経質そうな
痩せ型の外人が口をヘの
字に曲げてて、あぁアイツ
かなって思う。



「そうか、わかった。

オレが話をしてみるよ」



柊弥はためらうことなく
そう言うと、すぐにその
外人の方に歩き出した。



そして――あたしには
イマイチ聞き取れない
流暢な英語で彼に声を
かけ、何やら話を始める……。





そこから先は話の内容が
わからないんで、あたし
には詳しく分析はできない。



でも、柊弥の口調や
ジェスチャーは、英語で
話しててもやっぱり堂々と
してて。



時おりその外人が不快を
あらわに声を荒げることが
あったけど、それにも
全くビクつくことなく
ハッキリと受け答えしてた。
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