オフィスの甘い罠
ジョーンズ氏はカラカラと
笑い、営業部の人と一緒に
奥のスペースの見学に
戻っていった。



笑顔で手を振って、それを
見送る柊弥。




(………………)




………なんてゆーか。



こう言うのはシャクだけど
――鮮やかなお手並み、
っていうべきなのかな。



あんだけ不満そうだった
人を、ものの数分で最後
にはお褒めの言葉をもらう
くらい、変えちゃうなんて。



何を話したのかはわかん
ないけど――やっぱ、
たいしたもの――かも……。



「ありがとうございます、
副社長〜っ。

なんせあちらが今回最高の
出資者なんで、本当にもう
どうしようかと思ってた
ところで……!」



専務は感謝と感激が
MAXって顔で、何度も
柊弥に頭を下げてる。
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