オフィスの甘い罠
と――社長と柊弥の顔を
交互に見ながらボーッと
してたら、いきなり社長が
あたしの方を向いた。
ギョッとするあたしに
社長は小首をかしげて、
「もしかして、あなたが
香川さん?」
「え、あ、ハイ」
いきなり名指しで呼ばれて
あたしの返事は素っ頓狂な
声になってしまう。
だけど社長は気を悪くした
様子もなく、逆に楽し
そうにクスッと笑うと、
「柊弥から聞いてます。
この度は急な人事異動で
大変でしょうけど、ぜひ
頑張ってちょうだいね。
なんせ柊弥が、ものすごく
あなたのことを気に
入ってるから」
「え? は、はぁ……」
「オイ、その言い方は
やめろよオフクロ。
せめて才能をかってるとか
言えっての」
交互に見ながらボーッと
してたら、いきなり社長が
あたしの方を向いた。
ギョッとするあたしに
社長は小首をかしげて、
「もしかして、あなたが
香川さん?」
「え、あ、ハイ」
いきなり名指しで呼ばれて
あたしの返事は素っ頓狂な
声になってしまう。
だけど社長は気を悪くした
様子もなく、逆に楽し
そうにクスッと笑うと、
「柊弥から聞いてます。
この度は急な人事異動で
大変でしょうけど、ぜひ
頑張ってちょうだいね。
なんせ柊弥が、ものすごく
あなたのことを気に
入ってるから」
「え? は、はぁ……」
「オイ、その言い方は
やめろよオフクロ。
せめて才能をかってるとか
言えっての」