オフィスの甘い罠
(って、一体何歳差よ!?

若すぎでしょ??)



開いた口がふさがらない
あたしだけど、集まった
面々はいたって普通の
のどかな雰囲気で、



「でもホントに、物おじ
しないで立派に受け答え
できてたわよ。

たしかに柊弥にそっくり
だったかも」



「そんなことないよ。

学校でさんざん練習した
質問が出ただけだって」



「謙遜することはないですよ。

郁実さんも副社長同様、
優秀ですから――」




(な、なんなのこの平和な
空気……)



ア然とするあたしの目の
前でしばらく言葉をかわし……

やがて社長、三浦さん、
郁実クンの3人は再び
帰って行った。



3人の姿が見えなくなると
柊弥は何事もなかった
ようにこっちを向いて、



「待たせたな。

ザッと店内チェックしてく
から、お前も来い」
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