オフィスの甘い罠
     ☆☆☆☆☆



翌朝目覚めた時、柊弥は
もう隣にはいなくて。



部屋のテーブルにルーム
サービスでとったらしい
朝食と、小さなメモが
置かれてた。



メモにはややとがった
筆跡で短く、



“おはよう。

お前は今日は午後出勤でいい”



そしてタクシー代の
つもりか、メモの下には
一万円札まで置いてある
のに気づく。



(ご丁寧だこと。

てゆーか、副社長様は
一体何時に出てったのよ……)



時計を見るとまだ7時前なのに。



ベッドの隣のスペースは
すっかり冷たくなってて、
だいぶ前に出てったことを
伺わせる。



「副社長に朝から出勤
させといて、自分だけ午後
からってわけにはいかない
じゃない……」
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