オフィスの甘い罠
あたし、
香川 梓(カガワ・アズサ)。



23歳で、美容関係の企業で
働く派遣社員。



仕事は総務部の事務で、
簡単だけど特に面白くも
ないことを毎日繰り返す
だけの、つまんない仕事だ。



「お茶くみは女の仕事って
……発想古すぎるし」



給湯室に誰もいないのを
いいことにグチグチ言い
ながらコーヒーを用意し、
上司が会議をしてる
Aルームに入った。



「お待たせしました。

お疲れ様です」



ま、その辺りは心得てますから。


当然上司の前では静々と
コーヒー出して、戻って
来るけどね。



「あ、香川さ〜ん!

ちょっとパワポで資料
作んの、助けて欲しいん
だけどぉ」
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