オフィスの甘い罠
8―気がかりなSilent・Night
     ☆☆☆☆☆



その日の夜。



あたしは部屋で一人
ワインを開けて、ボンヤリ
物思いにふけってた。



あの後柊弥の面談が終わる
時間までには社長と別れ、
何事もなく仕事に戻ってる。



もちろん社長と二人で
会ったこと自体、柊弥には
話してない。



そうして滞りなく仕事を
終え、家に帰ってきたけれど。



「はぁ……
なんなのよ、ったく……」



なぜだか心がどんよりと
重くて、どれだけグラスを
空にしてもちっとも軽く
ならない。



この感じはなんだろう?



いつものストレスなら、
Aphroditeで一晩騒げば
スッキリする。



だけど今はそんな気分にも
ならないし、お酒で
まぎらわすこともできない。



「あーもうっ、
ムシャクシャするっ!」
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