オフィスの甘い罠
スペアの鍵で、自分で鍵を
開けて副社長室に入った。
室内は電気もついてなくて
当然誰もいない。
ドアの所で一瞬立ち
止まったけど、すぐに
再び歩き出して柊弥の
デスクの前に立った。
「………バイバイ」
バッグから出した小さな
白い封筒を、そっと
デスクに置く。
さっき家で書いてきた、辞表。
封筒から手を離すと、
あたしはひとつだけ小さく
息をはき――。
そうして次の瞬間、振り
切るようにきびすを返すと
一歩を踏み出した。
それ以上振り返ることはない。
まっすぐ歩いて、あたしは
無言で副社長室を後にした。
☆☆☆☆☆
_
開けて副社長室に入った。
室内は電気もついてなくて
当然誰もいない。
ドアの所で一瞬立ち
止まったけど、すぐに
再び歩き出して柊弥の
デスクの前に立った。
「………バイバイ」
バッグから出した小さな
白い封筒を、そっと
デスクに置く。
さっき家で書いてきた、辞表。
封筒から手を離すと、
あたしはひとつだけ小さく
息をはき――。
そうして次の瞬間、振り
切るようにきびすを返すと
一歩を踏み出した。
それ以上振り返ることはない。
まっすぐ歩いて、あたしは
無言で副社長室を後にした。
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