オフィスの甘い罠
そこはレギュラーで入った
から、夜はほぼ毎日出勤。


だからいつの間にか、
生活は昼夜逆転。




柊弥が働いてる昼間に
寝てて、夜には店にいる
から家は留守。



そんな生活だから特に
心配する事もないって思ってた。



もう二度と、柊弥に
会うことはない。



あたしは今まで通り、誰に
振り回されることもない
気楽な生活に戻ったけど――…。



……その代わりに舞い
戻ってきたのは、どう
しようもないほどの退屈。



前はいいストレス解消
だったはずの夜の仕事
なのに、今ではそれすらも
空虚で退屈で。



――どうしてかはわからない。



自由になったはずなのに、
あたしの心には大きな
風穴が開いてしまった
みたいだった。
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