オフィスの甘い罠
「え…………」



そう……だったんだ。



あたしの居場所、
わかってたんだ。



だけどすぐには来ないで、
柊弥自身、自分の気持ちと
向き合って、答えを
出して――…。



「……わかったか?

本気なんだぜ、オレは」



あたしの心を探るような
柊弥の声。



―――信じていいの、柊弥?
本当に。



他の何も信じない。



でもあなただけなら、
あたしは――あたしは、
信じてみたいって思う。



今はまだそれしか言えない
けど……でもそれだけは
間違いなく本当。



あなたと一緒にいることで
あたしの世界が変わっていく。



それはどうしようもなく
不安で怖くて、まだ自信は
ないけど。



それでも今は、その
変わった世界を少しだけ
見てみたいって思えるから……。
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