オフィスの甘い罠
     ☆☆☆☆☆



一晩中愛し合った翌朝は、
カーテンの隙間から差し
込む眩しい光で始まる。



目を開けると、今朝は
柊弥は隣にいた。



妙に新鮮だと思ったら、
こうして二人で朝を迎える
のはこれが初めてだって
ことにハタと気づく。



(そっか……今までは
どっちかが先に出て
行っちゃってたから……)



「おはよう、梓」



シーツから裸の上半身を
覗かせてほほ笑む姿が
眩しくて、あたしは思わず
目をそらしつつ、



「……お、おはよう」



「あ? 何モジモジしてんだ?」



「モジモジなんて
してないわよっ。

人を挙動不審みたいに
言わないで」



「何怒ってんだよ。

ったく、抱いてねーと
かわいいこと言えねーん
だったら、また襲うぞ」



「…………!」
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