オフィスの甘い罠
4―奪われた日常
☆☆☆☆☆
仕事を終えるとすぐ、
派遣会社に電話した。
派遣社員のあたしは辞める
って言っても、あの会社に
辞表を出すわけじゃない。
派遣会社を通じて辞める
っていう必要がある。
もちろんこんないきなり
なのは契約違反だから、
派遣会社も怒るだろう。
でも別にいいやって感じだった。
担当者に電話が繋がると、
あたしはなんの前触れも
なく話し出す。
「あ、すいません。
急なんですけど、あたし
今の会社今日で辞めます」
当然『何言ってるんだ!?』
って声が返ってくると思ってた。
ところが、電話の向こう
から聞こえてきたのは……。
『あぁ、香川さん。
ゴメンゴメン、僕も今電話
しようと思ってたんだよ。
わかってるよ。
すごく急ではあるけど、
ちゃんと話進めてるから』
仕事を終えるとすぐ、
派遣会社に電話した。
派遣社員のあたしは辞める
って言っても、あの会社に
辞表を出すわけじゃない。
派遣会社を通じて辞める
っていう必要がある。
もちろんこんないきなり
なのは契約違反だから、
派遣会社も怒るだろう。
でも別にいいやって感じだった。
担当者に電話が繋がると、
あたしはなんの前触れも
なく話し出す。
「あ、すいません。
急なんですけど、あたし
今の会社今日で辞めます」
当然『何言ってるんだ!?』
って声が返ってくると思ってた。
ところが、電話の向こう
から聞こえてきたのは……。
『あぁ、香川さん。
ゴメンゴメン、僕も今電話
しようと思ってたんだよ。
わかってるよ。
すごく急ではあるけど、
ちゃんと話進めてるから』