史上最強の覆面戦闘員
 ゾックはもう暴力を振るわれたくなかったので、さらに距離をあけて、カピカピをなだめた。


『落ち着け、新たな同士よ。とにかく勝てばいいのだ』


「……ああ、そうだな。俺は日本中の巨乳のため、絶対に勝つ!!」


『試合は3番勝負で行う。まず最初の勝負は……』


 ゾックは大げさに間を取って、それから大声を出した。


『美味しいチョコレートを作りまSHOW!』


「えええぇぇぇ!?」


 ハデアールはそれを聞いて、いつも以上に金歯を見せつけながら笑った。


《ハッハッハッハ、わざわざ我々の土俵で戦ってくれるのでアールか》


「そうだぞ!! なんでオマエが考えたのに、わざわざ不利な勝負にしてんだよ!!」


『それでは先鋒、前へ』


「話を聞けーい!! そんで先鋒ってなんだ!!」


《ハッハッハッハ、なるほど、単純にお面ライダー対じっくり焼いたベーコンというわけではないのでアールな》


「誰がカリカリだ!!」


『その通りだ、ハゲアガール』


「名前変わってんじゃねえか!!」


 ゾックは、あいつの本名なんだっけ、と軽く首をひねって、まあどうでもいいや、と思い直した。


『第1戦と第2戦はそれぞれ代表者を出して戦い、第3戦まで進んだ場合はお面ライダー対極端にやせ細った人の対決とする』


「誰がガリガリだ!!」


《ハッハッハッハ、なるほど、だからチョコ作り対決にしたのでアールか》


「え? どういうことだ?」
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