史上最強の覆面戦闘員
《ハッハッハッハ、つまり第1戦のチョコ作り対決には、チョコ作りが得意なゾックが参戦するということだろう》


「意外な特技!!」


 ゾックは褒められたおかげで、いや、本当は褒められたことは何の関係もないが、とにかくハデアールの名前を急に思い出した。


『そういうことだ、ハデアールよ』


「おお、奇跡的に良い勝負になる可能性が出てきた!!」


 カピカピは一瞬喜んだが、「あれ、でも待てよ」と、重大な問題に気がつく。「チョコ作り対決だろ? キッチンも何もないこの荒野で、どうやって作るんだよ?」


『簡単なことだ、新たな同士よ』ゾックはチッチッチと、人差し指を口の前で揺らした。『手作りチョコの作り方は知っているか?』


「いや、知らないな」


『最も簡単な方法は、市販のチョコを買ってきて溶かし、別の容器に入れて固めるだけだ』


「おお、なんかショックーな作り方だ」


『つまり、チョコを溶かすためのお湯と、容器、それからチョコを冷やして固めるための冷蔵庫があれば、チョコは作れるということだ』


「おお、それで、お湯と容器と冷蔵庫はどこにあるんだ?」


『残念ながら、用意するのを忘れてしまった』


「…………は?」


 ゾックは顔の向きを、お面ライダー側へ変える。『お面ライダーよ、美味しいチョコはすでに作ってあるか?』


【出来てるです。用意してあるのです。完璧なのです】
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