史上最強の覆面戦闘員
「そういえば、全然寒くない」


『そうだろう、新たな同士よ』


「ん? ということは、まさか……」カピカピが重大なことに気付き、ガタガタと震えだす。「オマエ、俺におまじないをかけたのか!?」


『その通りだ、新たな同士よ。ものわかりが良いな』


「うわあああぁぁぁ!!」カピカピはハゲしく取り乱し、ゾックの大きな耳のすぐそばで叫ぶ。「てことは代償があるんだよな!? まさか覆面が一生取れないとか言うんじゃ……」


 ゾックは『中耳炎になっちゃうから』とカピカピを引き離す。『覆面は一生取れないが、代償はまた別にある』


「うわあああぁぁぁ!! いやだあああぁぁぁ!!」


『寒くならないというのは、とてつもなく高い能力だからな。代償もそのぶん大きい』


「うわあああぁぁぁ!! いやだあああぁぁぁ!! 聞きたくないいいぃぃぃ!!」


『その代償とは……』


「うわあああぁぁぁ!! いやだあああぁぁぁ!! 聞きたくないいいぃぃぃ!! やめてくれえええぇぇぇ!!」


『一生不味いチョコしか作れなくなるのだ』


「うわあ……う……お、おう……そうか」
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