史上最強の覆面戦闘員
『なんだその反応は。一生美味しいチョコを作れなくなるのだぞ』


「うわ……う……お、おう……そうか」


『一生美味しいチョコレートを作れなくなっても良いのか!』


「うわ……う……お、おう……大丈夫」


『だがその代償のおかげで、負けることはなくなったのだぞ、新たな同士よ』


《ハッハッハッハ》ハデアールがゾックの言葉を聞いて笑った。《その程度で勝ったつもりでアールか、ゾック・ピエール》

ハデアールは着ていた金色の白衣を脱いで、投げ捨てた。《ハッハッハッハ、アイスジャベリンの力、見せてやるでアール!》


 そのときだった。

突然、ピューと冷たい風が吹いた。

それはそれは冷たい風で、例えるなら……とにかく冷たい風だった。

金色のシャツ一枚になったハデアールの表情が凍りつき、やがて、ガタガタと震え、投げ捨てた金色の白衣をしっかり身にまとった。


《…………さむ…………ギブアップでアール》


「えええぇぇぇ!?」
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