~コイノオト~

鳴り止まない着信音、すべては綾人から。メールも入ってた。

―話がある電話でて

同じ内容のメールが何件も。
翌朝目覚めた私は、我にかえって綾人に電話をした。何度かけても出ない。きっと怒ってるんだ。昨日の私がいけなかった。謝らないと。

何日たっても綾人は電話に出ない。不安でいっぱいになる。

その時携帯が鳴った。
着信・綾人お母さん

綾人のお母さん!?やっぱり綾人になにか会ったんだ

焦って電話にでると
「もしもし、優衣ちゃんよね??」
「あっ・・・はい」
「何度も綾人の携帯に着信入ってたから・・」
「あの、綾人くんに何かあったんですか?」
「綾人、トラックで事故を起こしたの。崖に転落して、それでもあなたに連絡し続けたみたい。今、手術が終わったんだけど意識が戻らないの」

あの時の電話は事故に合った後だったんだ。自分の命が危ないの分かりながら何度も私に電話したんだ。なのにあんな冷たい事言っちゃった。
涙が溢れてくる。綾人…今から行くから待っててね。

「あのっ病院はどこですか?」
「会いに来てくれるのね。綾人も喜ぶと思うわ」

急いで病院に向かう。
`竹内 綾人'と書かれた病室を見つけ急いで駆け込む。力なくベッドに横たわる綾人。

「綾人。ゴメンね・・・」

その時綾人の指がピクって小さく動いた。少しずつ意識が戻り始めたらしい。

「良かった・・・。」
もう涙で綾人の顔が見えない。

それからしばらくして綾人は退院した。足に少し後遺症がのこって車椅子の生活になった。それでも私と綾人は幸せでいっぱいだった。

ずっと夢だった結婚式をあげた。綾人は車椅子。

「車椅子の花婿なんてカッコわりぃ~」
なんて笑顔で言う綾人。全然カッコ悪くなんかない車椅子なんて関係ない綾人は綾人。変わらない私の世界で一番愛しい人。

「ずっと一緒にいてくれる??」
「当たり前ぢゃん」


竹内 綾人
優衣

ずっと願った夢
やっと叶ったね。
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