大好きな君にエールを*番外編





「ひ、ひーちゃん!?」


「何それー。荒嶋くんの趣味を疑っちゃう!」


あたしのポケットから出てきたのは、ビーズで作られたゴリラのキーホルダーだった。ゴリラの頭には、ドットのリボンが付いていた。


「これがあたし?」


「みたいだね。荒嶋くんにはこんな風に映ってるなんて笑っちゃうよ!」


「ヒ、ヒドいー!」


いくら可愛くないからって、ゴリラに似てるだなんてヒドいよ、荒ちゃん!


「でも、照れくさかったんじゃない?」


「え?」


「麻帆に話しかけるの。可愛すぎてっ」


最後の方は笑いが混じってて、バカにしてるように聞こえた。だけど、そうなのかな?


もしかして、照れくさくてゴリラをプレゼントした、とか?


「冬休み、荒ちゃんを怒ってやるー!」


「とか言って、会えることが嬉しすぎて泣いちゃうんでしょ?」


「うっ……」


「麻帆の考えてること、バレバレ♪」





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