大好きな君にエールを*番外編
そして、荒ちゃんからもらったゴリラと共に残りの時間を過ごし、集合時間となった。
列に並んでいるときに、辺りにいた他校生に目を向けたけど、荒ちゃんらしき人は見当たらなかった。
「そんなに残念そうな顔しないのー!」
ひーちゃんにブニッと顔を引っ張られた。
「い、いひゃい!」
「あーもっと近くで荒嶋くんを見たかったな!」
惜しい!という表情であたしを見るひーちゃん。
「荒嶋くんのこと、あたしに教えてよ!麻帆が好きになった理由とか知りたいなぁ」
ひーちゃんは、いつもあたしのことを支えてくれる。そして、あたしのことをわかってくれる。
「うん!」
あたしは元気よく返事をした。そして、飛行機の中で、ひーちゃんが耳を塞ぎたくなるくらい荒ちゃんのノロケ話をした。
頭の中も心もあたし自身も荒ちゃんでいっぱいになったとき、
「麻帆、早く冬休みになってほしいね」
ひーちゃんは優しく言った。うんうん頷いて、2人で微笑み合った。
修学旅行の初日は寂しさでいっぱいだった。でも今は、愛しさで胸がいっぱいだよ。
荒ちゃん、ゴリラの執念は深いからね☆