大好きな君にエールを*番外編
「あっ……」
バレンタインデー前日の放課後。俺は靴箱であるものを発見した。
「なぁ、永松」
「何?」
「バレンタインって明日だよな?」
思わず、靴を取り出そうとしている永松に聞いてしまった。
「知らん」
返ってきた言葉はそれだけ。
そうだった。コイツは、こういうイベントごとには全く興味を示さない奴だった。
「永松、それは知っておいた方がいいぞ」
「なんで?」
「や、役立つ日が来るはず……だから」
いや、そんな日はないんたけどな、と訂正して靴箱にある、それを取り出した。
そう、それはチョコ、だった。
「……複雑」
「もう貰ったのか」
「早いよな。バレンタインは明日だぞ?」