大好きな君にエールを*番外編
「その顔、キモい」
「生まれつきだっつの!」
せっかく見直してたのによ、ひでぇ奴。ちょっとショックで転がっていた石ころを蹴る、俺。ガキかって。
「お前はどうすんだよ」
「何が」
「彼女以外からもらったらどうしてんだ?」
これは言ってもいいのだろうか。全国の女子の皆さんに引かれないだろうか?
「む、昔は捨ててた」
「最低だな、お前」
0.01秒の速さで永松に返された言葉。
だって、好きでもない奴のチョコなんて……って最低な考えを持ってた。
「でも、中学ん入ってからは、その……断ってた」
「なんで?」
「変わりたかったから」
麻帆の事を意識しだした頃、麻帆が言ってたんだ。
『断るところでは断れる人にならなきゃね。相手のことを考えて、そういうのきちんと言える人がいい』
何の会話だったかは覚えていないけど、そういう奴を目指そうって決めた気がする。