大好きな君にエールを*番外編
申し訳なかったけど、仕方がない。本命がいるのだから。
今日貰ったこのチョコも、明日直接本人に返そう。名前は書いてあった気がするし。
「よーし!永松!ダッシュするぞ!」
気分を変えるために永松を誘ったが、即答で『却下』と断られ、俺は1人、寮までダッシュしたのだった。
────────バレンタインデー当日。
「…………うわ」
「おぉー」
永松と俺は靴箱を開いた瞬間、同じようなリアクションをしてしまった。
靴箱には、数個のラッピングされたチョコが入っていた。おいおい、臭くなるぞ?
「はぁあ、また返しに行くの増えたよ。靴箱に入れんなよーってな、永ま……つ!?」
言いながら永松の方を見ると、
ガタガタッ
靴箱に収まりきれなかったチョコが永松の足下へ落ちていた。
「…………え?」
「多いな」
いや、呑気すぎますよ、永松さん!?