大好きな君にエールを*番外編
「荒嶋、紙袋持ってないか?」
「持ってねぇよ!」
「はぁ……」
小さくため息をついて落ちたチョコを拾い上げる永松。なんだろう、この永松とチョコの山の異色の組み合わせ。
「悪い、このチョコ持ってここにいろ」
「なんで!?惨めな思いをしろってか?」
「お前も貰ったろ?」
あなた様には適いませんが?
「職員室から袋貰ってくんだよ。チョコ抱えたまま行けるかよ」
あ、たしかに。
「あーぁ。今年もか」
ブツブツ呟きながら職員室へ向かう永松。『も』って去年もだったのかよ!ヤバいな、永松のファン半端ねーぞ。
それにしても俺の立場、悲しすぎ。そう思っていると、
「あ!ココだよ、ココ!」
ポニーテールの髪型の女とボブの女が俺の元へ来た。……いや、正確には永松の靴箱をめがけてきた。