大好きな君にエールを*番外編
「いや、そうじゃなくて……」
永松の山並みのチョコを見つめて、再び言葉を発した。
「チョコ、受け取れない」
「え……」
「せっかく作ってくれたのにごめんな?でも悪い、返すよ」
靴箱の上の方に永松のチョコを置き、鞄から昨日、貰っていたチョコを取り出した。
「……甘いの、苦手だった?」
「そうじゃねーけど……」
「じゃあ貰ってよ。ぎ、義理だと思って。ね?」
いや、今更義理って言われても無理だっての!
やべぇ、どうしよう。どうやって断ればいいんだ?
「そいつは絶対受け取らねーよ」
救世主、現る。袋を片手にした永松が戻ってきたのだ。
「なんで?どうして?」
ボブの女は教えてよ、という目で俺を見てくる。ハッキリさせろ、とチョコを袋に詰めながら永松から見られた。