大好きな君にエールを*番外編





「荒嶋先輩はこうやってきちんと断ってくれます。きっと彼女がいてもいなくても」


「え……あ、まぁ」


「でも永松先輩は、受け取ってくれます。そして貰った子全員にありがとうって言いに来てくれるんです」


え?


「気持ちは受け取れないけどって。あたしの友達が去年そうだったんです」


永松がそんな奴だったなんて、知らなかった。ただ、チョコ好きでお礼なんて絶対にしない奴だと思っていた。


「でも、やっぱり荒嶋先輩の方が好きなんです。最初から断ってくれた方が……ちょっと辛いけど、気持ちがいいです」


何となく、麻帆のあの言葉が蘇ってきた。


──────『最初からきちんと断れる人がいいな』


「見た目からいくと逆っぽいですけどね」


「それは……俺も思う」


思わず吹き出してしまい、女子もつられて笑っていた。




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