大好きな君にエールを*番外編
「彼女さんと、頑張ってください」
「あ、あぁ。ありがとう」
「荒嶋先輩……」
─────“好きです“
チョコを渡す勇気は俺にはわからない。でも、告白をする勇気を俺は知っている。
知っているからこそ、断るのが辛い。
「ありがとう。でもごめん、彼女がいるんだ」
ごめん、だけで断っていた自分。でも今は、麻帆の存在を示すように断れた自分。
「あははっ、フラれちゃいました」
結果がわかっていた告白。どれほどため込んでいたんだろう。
「荒嶋先輩、ありがとうございました」
そう言って頭を下げた時に、学年別の組章がキラリと光った。この子は、2年だったのか、とその時に気づいた。
俺も、と微笑んだ。すると、
『その笑顔はズルいです』
と笑いながら駆けていった。