大好きな君にエールを*番外編
「永松」
「あ?」
「お前いい奴だなぁ!!」
正午過ぎ、俺は教室でがばっと永松に抱きついた。
「……離れろ」
永松は冷静に言葉で刺す。俺は渋々離れた。
「話が見えないんだが?」
「あ、悪い!実は永松がチョコ貰った後に行っている行動を耳にしまして」
「…………ふん」
「律儀な奴だなぁ」
「お前もな」
俺と永松は違う。見た目も野球のセンスも何もかも。バレンタインの対応も。
でも、同じ事をしていた。相手を傷つけないように、根拠は同じところにあったんだ。
「女心理解してんの?」
「男だから分かるわけがない」
「そ、そーっすね」
こういうところを除いては。