大好きな君にエールを*番外編
「荒嶋」
「何だー?」
「本命にチョコ貰えなくて残念だな」
バンッ!
ボタッ
グローブに直撃したボールを、俺は取ることが出来ずに地面へ落としてしまった。
「永松、てんめー」
「彼女の事になると、お前は弱い」
ニヤリと笑う永松。この性悪男め。
「う、うっせ!」
本当は今日1日、ずっと思っていたことだったのに、アイツに当てられたことが悔しい。
そりゃ、本命のチョコが欲しかった。でも、仕方ねーじゃん。
……うわ、会いたくなってきた。
「永松ー!構えろぉ!」
「はぁ?」
俺は永松が構えるのも待たずに、ボールをぶち投げた。コントロールはめちゃくちゃ。
ただ、麻帆に会いたい気持ちをボールにぶつけた。