大好きな君にエールを*番外編





本当に?と心配してくれるひーちゃんに、何度も頷いた。


「あっちの方見てくるけど、麻帆どうする?」


「こっち見てから行くー!」


本当は少し、1人になりたかったっていうのも本音だった。


バレンタイン、友チョコは渡す予定だけど、荒ちゃんには渡せないなって思ってたからなぁ。


そして、何気なくバレンタイン雑誌を手に取った。


『脱☆片想いしたいので、チョコ渡します』


『彼女がいてもいなくてもアタックする!』


『彼女なんてカンケーないし』


最後のコメントを見た瞬間、バンッと本を閉じた。そう、だよね。


彼女がいても、気持ちを伝える人はいる。それに、あたしは遠距離の彼女。


荒ちゃんの傍にいないから、好きだったらいつだってアタックが出来る。


チョコだって、渡せる。


「どれくらい、貰うのかなぁ」


隣で受け取ってくれるかなぁってキャッキャッ言い合う女の子。こういう子もいるんだよね。


あたし、荒ちゃんの彼女、だよね?





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