大好きな君にエールを*番外編
やっぱり、絢子と出会えてよかった。
ぶつかって仲直りできてよかった。
「……何よ」
好きな人の話は、これから追々聞いていけばいいっか。
今全部聞いちゃったら、絢子と話すことがなくなって、連絡をとらなくなっちゃうかもしれないじゃん。
「なーんも!んー荒ちゃんに会いたぁい」
「出た、惚気」
こういういいことが起こると、荒ちゃんに話したくなる。
あたしね、今こんなことがあったんだよ、って伝えたくなる。
「卒業までの我慢、でしょ?」
「う、うん」
「あと少しよ。それまで、不細工な泣き面見てあげるわ」
本当は、今日、渡したかった。
荒ちゃんに、バレンタイン、渡したかったよ。