大好きな君にエールを*番外編





2年の終わりにチャリで派手に転けた。それが原因かもなんて……最初は思ってもいなかった。


でも、あれから部活をしてる最中や授業中に頭痛がしたり、フラフラするようになっていた。


ヤバいかも、とは薄々感じていた。


だから、荒嶋にキャッチャーを頼むかもしれないと伝えたんだ。


でも、心のどこかでは大丈夫だろうと思っていた。少ししたら治るだろうって。


「だから……言わなかった」


「なんでだ。そこで言っていたら、少しは状況が変わったかもしれないだろ?」


「……変わんねーよ。むしろ、余計野球が出来なくなるところだったよ」


「え?」


「言ったら、練習も大会も……出させてもらえなくなっただろ?」


分かるよ、そんなことくらい。


分かってたから、言えなかったんだよ。





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