大好きな君にエールを*番外編
「俺は、そんなの耐えられない」
大好きな仲間達が俺の大好きな野球を目の前でしているのに、指をくわえて見ることしかできないなんて、絶対に嫌だった。
「少しでも、野球がしたかったんだよ」
アイツらと。
3年間、共に歩んできた奴らと。俺の背中を見て背伸びする奴らと。スタンドから応援する奴らと。
「……ごめん、父さん母さん。1人にしてくんね?」
「だけど……!」
「あなた、また来ましょう」
母さんがか細い声を出した。父さんは渋々わかったと言って納得した。
「また明日来るね」
「…………」
返事はしない。返事の代わりに2人に背を背けた。ドアは寂しく閉まった。