大好きな君にエールを*番外編





「だから、花龍野球部を全力で応援する」


叶わないからこそ、出来ること。きっと、俺にしか出来ないこと。


「マズい病食にも耐えてやる。筋トレだってこっそりしてやる。1、2年のデータの分析だってしてやる」


「おい、最後のってマネージャーの仕事だぞ」


「いいの!今は俺の仕事なっ。……だから泣くなよ。こんなにもいい男たちが泣くと、気色悪ぃよ」


「おまっ、一発殴らせろ!!」


「キャ~病人に暴力振るわないで~」


泣いていたのは俺もだった。こんなに思ってくれる奴らを目の前にして、泣けないわけがない。


「……よし!可愛い後輩達のところに行くか」


「首伸ばして待ってるだろうな」


「それに負けちゃいられねーし!」


1人、また1人と病室を出て行く。みんなの背負っている背番号が眩しい。


「シゲ、伝言はあるか?」


「ある。今月発売のGカップ特集の雑誌が欲しい」


「病室から引きずり出して、練習に強制参加させるぞ、コラ」


はい、すみません、キャプテン。





< 183 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop