大好きな君にエールを*番外編





「お前、真面目に……」


「部活中、体調が悪そうな奴はすぐに休ませること」


「経験者は語る、ってか」


おうよ、とキャプテンに返した。


「あとは、荒嶋に監督やお前らにしごかれたらいつでも泣きに来るように伝えて。あっ、お前らもいいぞ」


「バーカ、遠慮するよ」


「あと……」


「まだあんのかよ」




───────“絶対に、負けんなよ“




きっと、今までで一番野球のことを愛しく思った時だった。


「あいよ!」


そして去っていく、仲間たち。


ドアが閉まると、堪えていた涙がボロボロとあふれ出した。


ユニフォームを見るだけで野球が恋しい。胸が張り裂けそうなくらい……苦しい。


でも、ここでうじうじしているわけにもいかない。前を向いて歩いていかなきゃ、花龍の勝利も見えてこない。


俺も、野球部の一員として頑張んねーとな。





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