大好きな君にエールを*番外編
だから今、あたしが荒ちゃんの隣を歩けていることも…信じられない。
春貴の告白の件から約半年後、あたしは荒嶋くんの…ううん、荒ちゃんの彼女になった。
何度も思っちゃうんだ。付き合えたことが夢みたい…って。
「…帆、麻帆?」
「んっ?」
「珍しくボーッとしてたけど、どうした?」
心配そうにあたしの顔を覗き込む荒ちゃん。
「ごめんねっ。実は春貴が告白した時のこと、考えてたの」
「春が?」
「うん。突然、懐かしくなっちゃって」
そう、この夕焼けを見ていたら、あの日の出来事が浮かんでいたんだ。
「年上の…確か麻帆の姉ちゃんだよな?」
「うん…あれ?荒ちゃんも知ってるの?春貴が自分で誰にも教えないって言ってたのに」
「ちょっと男同士の会話で、な」