大好きな君にエールを*番外編
倉橋が慌てて落ちたペンを拾う。俺はその姿をボーッと眺めた。
「…ハイッ」
付いたゴミを払い、俺へと手渡す倉橋はさっきよりも…可愛く見えた。
「さ…サンキュー」
「ちょっと汚れちゃったかもしれないけど」
「だ…大丈夫っ!」
何だろう、変に緊張してしまう。それに声も裏返ってるような気もするし…。
「じゃ、あたし部活に戻るねっ」
「あ、おう!」
「課題頑張ってねっ」
─────…課題頑張ってねっ
───…頑張ってねっ
く…倉橋が応援してくれていた。これは頑張らないわけにはいかない。
顔をバチンと叩き、気合いを入れて課題を解き始めた。
俺は春貴とは違う。倉橋と幼なじみという特権を使うような春貴とはなっ。