大好きな君にエールを*番外編
「ほら、お前らも自分のクラスの列に戻れ!」
「ほいほーい」
体育教師の熱血教師が俺達の肩を掴む。活気のない返事を残して、永松と別れた。
「康也、おはよう!」
「うぃーっす」
「荒嶋くん、まだ眠そうだね?」
「まぁね。朝早いからなぁー」
こういう時、アイツがいてくれたらなって思う。
そう、俺の彼女のアイツだよ。
バカなくせに、剣道のことになると人が変わる俺の彼女。あんまり言えないけど、いつも感謝してんだ。
「………麻帆」
ポツリと呟くけど、麻帆からの返事はない。
当たり前だけど、麻帆はここにはいない。俺とは違う地で頑張ってんだ。
「何か言ったか?」
後ろの奴が声を掛けてきた。急に恥ずかしくなって、俺は大袈裟に首を横に振った。
「じゃー、出欠取るぞ!」
そして寒さに耐えながら担任の声を聞いていた。すっかり子守歌みたいになったけどな。