大好きな君にエールを*番外編





「男?」


「男だろ?」


なんだろう。永松と話が噛み合っていないと思うのは俺だけだろうか?


「な、永松。誰の話してんの?」


「あ?怯えてた奴のことじゃないのかよ?」


まさかの笹田!?え?永松は俺が笹田のとこに行くと思ってたわけ!?


「おい、行かねーのか?」


「……俺、笹田んとこに行くなんて一言も言ってないんすけど」


「あ?じゃあ誰だよ」


これで通じなかったらショックだしなぁ、と、力無く永松を見て肩を落とした。


「麻帆んとこ」


「…………誰、それ」


「……彼女」


「お前、ここ空だぞ?地上じゃないぞ?何、突飛なこと言ってんだよ」


「だーかーらー!さっきも言っただろ?機内にいるって」


「へぇ、そう」


ほら!やっぱり永松の反応はこれなんだよ!へぇ、は必ず出ると思ったんだっつーの!





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