大好きな君にエールを*番外編
グラウンドで練習をしている仲間達をチラッと見た。みんな、汗水流して懸命にもがいている。
「荒嶋、自覚が無いお前は練習に参加する必要は無い」
「え?」
「筋トレだ。俺がいいと言うまでそこで筋トレだ。まずは腹筋!」
「は、はい!」
みんなの前で、一人で筋トレだなんて…今までやったことがなかった。
だから、俺は腹筋をやっているうちに、だんだんと恥ずかしさが込み上げてきた。
チラッと監督を見る。監督は俺なんか見ていない様子。
…んだよ、放置かよ。
再び、消えかけた夕焼けが広がる空を見つめて、仲間を見つめて腹筋を繰り返した。
「次は腕立てだ」
グラウンドの整備が始まった頃、監督が呟いた。俺は流れ落ちる汗を拭った。