大好きな君にエールを*番外編





当たり前のように同じ教室で、同じ時間に同じ教科書で勉強が出来ていた。同じ物食って、同じ先生が担任で。


でも、今は違う。


お互い違う場所で違う教室で、違う時間に違う教科書を開いて勉強をしている。違う物を食って、違う担任がいて。


その中で、麻帆も俺も変わっていってる。


アイツ、前髪伸びてたな。前はパッツンだったのに、さっきはピンで可愛らしく留めていた。一段と可愛く見える。


ていうかさ、反対側の席の奴って、男じゃん。楽しそうにしてるし、なんか……妬けてくる。


俺の知らない麻帆の時間があって、麻帆の知らない俺の時間がある。


今までわかってはいたけど、いざ目の当たりにしてみると……いい気はしない。麻帆の友達にも周りの男共にも……ただのヤキモチ。


俺が目の前に現れると、どんな反応するのか楽しみだったけど、今は一度しかない修学旅行だし、楽しませてやりたい。


…………すっげー悔しいけど。





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