大好きな君にエールを*番外編
隣に座るひーちゃんのニヤけた顔を見ながら、あたしも荒ちゃんを思い出していた。
夏のテレビ中継の甲子園の時より、一段と肌が焼けているように見えた荒ちゃん。夏休みは練習に明け暮れたのかな?
もっと近くで見たかった。
荒ちゃんの彼女です、ってちょっと恥ずかしいけど言ってみたかった。
それでも、一目見れただけで嬉しいな。修学旅行で会えるなんて夢みたいだもん!
同じ学校の子みたいに、一緒に行動したり写真を撮ることが出来ないのが寂しい。
だけど、今ので寂しさも少し飛んでったよ。
……でもやっぱり、まだ荒ちゃんの姿を見ていたかったってのはあるな。そんな嬉しさと寂しさを抱えているなか、バスは出発した。
1日目、2日目と修学旅行はあっという間に過ぎていった。そして、
「修学旅行、早かったよねー!」
もう、最終日を迎えたのだった。